地盤ネット総合研究所

地盤コラム「熊本城の地盤」

平成28年4月、熊本地方では最大震度7が2回発生する熊本地震がありました。熊本城も一部被害を受けましたが倒壊することはなく、いま再び復興の道を歩もうとしています。
日本一の堅城とも言われる熊本地震を乗り越えた熊本城を、地盤から紐解いてみましょう。

熊本城の地盤特性や石垣・建造物の構造が、それぞれどのように影響し合って被害をもたらしたのかは、今後明らかにされると思いますが、そもそも熊本城はどのような地盤の上に構築されたのでしょうか? 今回は、熊本城がある地域の地盤について、概説します。

熊本城は、現在の熊本市街地の北西部に位置する熊本城公園の中にある平山城です。平山城とは、平野部の丘や山を利用して築城されたお城のことをいいます。とくに、熊本城は京町台地と呼ばれる北から南に延びた台地の南側の先端にあります。このため、南側の台地と平野の間には切り立ったがけ(段丘崖)がみられ、このがけを活用した高い城壁がみられ、特に南側からの攻撃に対しては特に高い防御力を誇っています。
実際に、熊本城は加藤清正による1600年頃の築城後、1877年の西南戦争でも落城することはありませんでした。薩摩の西郷隆盛が「官軍ではなく、清正公に負けたのだ」とまで言ったともされています。

熊本城の建造物自体は、石垣で山留めされた盛土層の上に載っています。この盛土層は,おもに阿蘇火山からもたらされた火山性の地盤、一部が河川で運ばれてきた低地の地盤の上にあると考えられます。熊本城には"武者返し"と呼ばれる上に行くに従い勾配が急になる石垣があることで有名ですが、今回の地震では,あまり被害を受けなかったようです。
今後、地形分類や地盤(火山性の地盤と低地の地盤)と盛土を含めた地盤構成、石垣の積み方、地震動などを総合的に比較検討することで、新たな知見が得られるかもしれません。

12/23(金・祝)朝 10:00~(一部地域 10:05~)放送のTVQ 九州放送発「よみがえれ 熊本城~歴史をつなぐ匠の技~」(全国 6 局ネット)で地盤ネットの新TVCMを放送いたします。
TVQ九州放送「よみがえれ熊本城」

お城は防衛上観点も含め、安全な土地に立地していることが多いです。
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